研究者らは、ODYSSEYと呼ばれる圏論的フレームワークを提案した。これは、「ファウンドリ」(foundries)と呼ばれるモジュール型アーキテクチャコンポーネントを組み合わせることにより、検証可能で局所的な真実を保存する基盤モデルを構築するものである。各ファウンドリは、局所コンテキスト、局所表現族、制限写像、グルールール、障害ポリシー、更新義務、人間向けビューを定義する。数学的には、ファウンドリは組織化された知識の層(sheaf)であり、議論コンポーネントを内包する。具体的なファウンドリは、証拠/議論、運用判断、機関/財務、市場意味、科学的課題、研究プログラム、アシスタント構築、評価ハーネスなどの汎用ファウンドリから構築される。このモジュール設計により、異なるドメインに特化した知識表現と推論ルールが可能となる。
普遍ファウンドリ学習(Universal Foundry Learning, UFL)は、ODYSSEYの中核アルゴリズムであり、左Kan拡張と右Kan拡張を用いてファウンドリの構築を形式化する。左Kan拡張は、異なるソースからの局所アーティファクトを候補ファウンドリに統合する。右Kan拡張は、制限、グルー、障害、議論条件を強制し、候補ファウンドリが昇格要件を満たすことを保証する。この二重拡張メカニズムにより、ファウンドリ間の一貫性と局所的真実の保存が確保される。
既存のAIモデルとの統合のために、ODYSSEYはファウンドリSQL(Foundry SQL, FSQL)を提供する。これは、維持されたファウンドリアーティファクトをスライスするための小さな型付きクエリ言語である。FSQLはTICKET(因果Kan拡張トランスフォーマーを用いたトポス統合)認証を使用し、外部または事前構築されたモデルを永続的なODYSSEY状態に取り込む。TICKET認証は、外部モデルとODYSSEY内部の因果的クレームとの整合性を保証する。
ODYSSEYは、証拠評価、運用判断、金融市場、科学的課題など、多様な具体ファウンドリで完全に実装・テストされている。実験により、同じ圏論的メカニズムがドメイン構築、アーティファクトリプレイ、層診断、Toulminモデルと局所LLMに基づく精査、残余障害台帳、および異種ソースにわたる最適化されたTICKET互換因果主張抽出をサポートすることが示された。この成果は、より信頼性が高く検証可能なAIシステムの構築に重要である。
本論文はSridhar Mahadevanによって執筆され、全34ページで、2026年6月25日にarXivに提出された。ICML 2026で2.5時間のチュートリアルとして発表される予定であり、チュートリアルホームページはarXivで公開されている。