システム神経科学において、神経活動が行動や感覚変数をどのように符号化しているかを理解することは重要な課題である。従来のモデルはラベルから神経活動を予測することに重点を置くことが多いが、特定の行動や刺激ラベルを変更した場合に神経応答がどう変化するかを問うには不十分である。そこで本研究では、記録されたソース応答を入力とし、他の観測ラベルやラベルでは説明できないソース固有の変動を保ちながら、一つのラベルを編集して神経活動の変化を予測する「ソース条件付き反事実編集」という概念を提案している。
この課題に対応するため、論文ではNeural-DISCOと呼ばれるもつれ解き表現学習フレームワークを導入している。Neural-DISCOは潜在空間を複数のラベル固有成分に分割し、各成分を観測された行動または刺激ラベルに対応付ける。さらに、観測ラベルからは供給されない変動を捉える残差潜在変数も保持する。この構造により、ラベルに関連する情報とソース応答のその他の内容を分離し、選択的な編集が可能になる。
著者らはシミュレーションデータと実神経記録データセットでNeural-DISCOを評価した。実験の結果、このもつれ解き構造により、測定されたラベルを選択的に編集して反事実的神経応答を生成しつつ、元の活動の残りの内容を保持できることが示された。これにより、神経活動全体を再記録することなく、特定のラベルに対する介入的な分析が可能となる。
さらに論文では、行動や刺激ラベルが単一ニューロン解像度でどのように符号化されているかを調べるため、もつれ解きフレームワークを特徴帰属手法と組み合わせている。これにより各ラベルにとって最も重要なニューロンを特定できる。合成データと実データの両方で、もつれ解きが既知の機能細胞役割の回復を向上させることが分かった。
総じて、Neural-DISCOは神経活動の反事実モデリングのための枠組みを提供し、神経集団が行動や感覚情報をどのように符号化しているかを探る実用的なインターフェースとなる。本論文はNeurIPS 2026のポスターとして採択されており、コードはGitHubで公開されている。