Inkling は、Thinking Machines Lab(Tinker)が2026年7月15日にリリースした汎用マルチモーダル大規模言語モデルであり、Apache 2.0 ライセンスで公開されています。テキスト、画像、音声の入力を受け付け、テキストを出力します。多言語および多プログラミング言語に対応し、エージェントシステム、コーディングアシスタント、チャットボット、検索拡張生成システムなど、AI駆動アプリケーションの構築に適しています。ウェイトはオープンで、研究、ファインチューニング、サードパーティ製品への統合を支援します。
モデルアーキテクチャと性能 Inkling は66層のデコーダオンリートランスフォーマーで、スパース混合専門家(MoE)フィードフォワードを採用し、総パラメータ9750億、活性化パラメータ410億です。ローカルとグローバルな注意機構を組み合わせ、階層的画像エンコーダと離散オーディオエンコーダによりネイティブにマルチモーダル処理を行います。BF16、MXFP8、NVFP4精度に対応し、コンテキストウィンドウは最大100万トークンです。ベンチマークでは、HLE(テキストのみ)29.7%、AIME 2026 97.1%、GPQA Diamond 87.2%、SWEBench Verified 77.6%、SimpleQA Verified 43.9%、Global-MMLU-Lite 88.7%、MMMU Pro 73.5% を記録しました。安全性では、FORTRESS 敵対的テストで78.0%、StrongREJECT で98.6%を達成しています。
配布とハードウェア要件 Inkling は Tinker API およびサードパーティの推論プロバイダ経由でアクセス可能で、Hugging Face からウェイトをダウンロードできます。BF16 チェックポイントの実行には最低2 TBの集約VRAM(例:NVIDIA B300 8台またはH200 16台)が必要で、NVFP4 量子化チェックポイントでは600 GB(例:B300 4台またはH200 8台)で動作します。SGLang、vLLM などの推論フレームワークの使用が推奨されます。
トレーニングデータと安全性 トレーニングデータは公開ソース、第三者提供、合成データから構成され、重複除去やフィルタリングなどのキュレーションが行われました。リリース前の安全性評価では、日常的な相互作用や危険能力テストを実施し、重大なリスクは認められませんでした。ただし、間接的な有害プロンプトに従う傾向があるため、Llama Guard などのフィルタリングツールを併用することを推奨します。
限界と推奨事項 Inkling には、幻覚、指示追従の失敗、長文脈での性能低下、トレーニングデータのバイアス反映などの一般的な限界があります。知識はトレーニング時点に限定されます。高リスク領域では人間のレビューが必要であり、医療、法律などでは追加のファインチューニングと検証が推奨されます。デプロイ前に独自の評価を実施し、コンテンツフィルタリング、レート制限、監視などの対策を講じてください。