中国ByteDance、AIブームを持続させる新たなスケーリング則を発見
TikTok親会社のByteDanceの研究者らは、AIエージェントが現実世界のタスクを実行することで学習速度を3か月ごとに倍にできることを発見。この新たなスケーリング則は、従来の開発手法が限界に達する中でAIブームを延ばす可能性がある。
TikTokを運営する中国ByteDance傘下のSeed AIチームは今週、AIエージェントが現実環境でのタスク遂行を通じて学習速度を3か月ごとに倍にできるとする研究論文を発表した。この新しいスケーリング則は、従来の事前学習データの枯渇が懸念される中、AIブームを延続させる可能性を秘めている。
従来のAI開発は大量のデータと計算リソースに依存してきたが、OpenAI共同創業者のアンドレイ・カルパシー氏はこの「蛮力」アプローチが永続しないと警告。米Epoch AIの予測では、公開された人間生成テキストデータは6年以内に枯渇する見込みだ。こうした中、ByteDanceの研究はAIの進歩に新たな道筋を示す。
研究チームはEdgeBenchと呼ばれるベンチマークスイートを開発。134の超長期タスク(ソフトウェア工学、科学的発見、形式数学、専門知識業務など)で構成され、各タスクには最低12時間の連続稼働が必要だ。チームは5つのフロンティアモデル(Anthropic Claude Opus 4.8、OpenAI GPT 5.5およびGPT 5.4、そして中国の智譜AIとDeepSeekのモデル)を評価するため、合計38,000時間の環境インタラクションを記録した。
データ分析の結果、エージェントのパフォーマンスは高い予測可能性を持つ数学的曲線に従うことが判明。これは、従来の事前学習による利得が減少しても、実践経験を通じてAI能力が予測可能な形で向上し続けられることを示唆する。ByteDanceチームは論文で「豊かな環境からの配置後学習は、事前学習と同等の体系的なスケーリングの注目に値する」と主張している。
この適応性は、AIエージェントがエンタープライズソフトウェアや科学研究、エンジニアリングプロジェクトなど現実の多様なシナリオに統合されるにつれ、重要性を増している。エージェントは初期訓練で得た静的知識に依存するのではなく、仕事の中で継続的に進化する必要がある。研究者らはEdgeBenchの公式サイトで「エージェントが環境から学習しタスク性能を向上させる能力は、現実世界でAIシステムを大規模に展開するための中心的な要素である」と結論づけている。