高段差乗り越えと旋回を実現する再構成可能ロッカー・ボギーロボット
本研究は、少ないアクチュエータで効率的な旋回を実現しつつ、高い段差乗り越え能力を維持する再構成可能ロッカー・ボギー機構を提案する。試作機による実験では、ゼロ半径旋回速度が従来の5倍以上、平均ホイールトルクは約17%に低減され、40cmの段差乗り越えにも成功した。
従来のロッカー・ボギー機構は、火星探査車などで広く使われている優れた段差乗り越え能力を持ちますが、旋回性能に課題がありました。特に狭い空間での機動性が制限されるため、研究チームは新しい再構成可能な設計を考案しました。ボギージョイントにモーターを追加し、ボギーを能動的に動かすことで、4輪と6輪の構成を切り替えられます。4輪構成では、ロッカー後端の全方向車輪と差動駆動により、ゼロ半径旋回が可能です。実験では、従来機構より旋回速度が5倍以上速く、トルクは17%に低減し、40cmの段差を6.4秒で乗り越えました。この論文はIEEE/ASME Advanced Intelligent Mechatronics国際会議(AIM 2026)で発表され、arXivでも公開されています(arXiv:2607.01554)。著者はKento Koizumi氏らで、2026年7月2日にarXivに提出されました。プロトタイプロボットは、6輪から4輪への構成切り替えと、全方向車輪を用いた精密な差動旋回を実演しました。また、研究者らは様々な地形での適応性や将来の応用についても議論しています。この研究は、シンプルな機械的再構成により性能を大幅に向上させ、移動ロボット設計に新たな視点を提供します。この機構は、捜索救助や探査など高い機動性が求められる分野への応用が期待されます。