ユタ州、AIで新たに2万5千件の雨水枡を発見、蚊との戦いに貢献
ユタ郡がAIモデルを航空画像解析に活用し、これまで地図に載っていなかった2万5千件の雨水枡を発見。この発見により、蚊の繁殖地をより多く処理できるようになり、西ナイルウイルスなどの感染症リスクを低減する。
ユタ郡は人工知能(AI)を活用し、蚊との戦いで新たな成果を上げた。郡情報システム局が開発したAIプログラムは、高解像度の航空写真を分析し、これまで地図に記載されていなかった約2万5千件の雨水枡を特定した。これらの雨水枡は蚊の格好の繁殖地となるため、発見は重要だ。
ユタ郡蚊対策局長のジェイソン・バード氏は「西ナイルウイルスなど蚊媒介感染症の発生を防ぐことが目標だ」と述べる。毎年春から夏にかけて、対策チームは自転車で雨水枡を巡り、蚊の卵や幼虫を殺す水溶性パックを投入する。隊員のアリッサ・コリンズ氏はデジタル地図を使って処理地点を確認。「地図にはすべての雨水枡がマークされており、その場所に行って投入するだけ」と話す。
これまで雨水枡の位置を把握することが最大の課題だった。郡は約5万件の雨水枡を把握していたが、2010年以降人口が約40%増加し、記録が不完全であることが明らかになった。そこでチームは情報システム部にAI活用を依頼。GISプログラマーのネイサン・トーマス氏が航空写真から雨水枡を認識するモデルを開発した。「丸いものや四角いもの、長方形のものなど、雨水枡の特徴を学習させ、数回のテストで認識できるようになった」と情報システム局長のパトリック・ワウロ氏は説明する。AIは郡全体の画像をスキャンし、数千件の新たな雨水枡を発見。
バード氏は「これほど多くの雨水枡が実際にあることに驚いた」と語る。この技術は古いGISデータを更新すると同時に、隊員が雨水枡を探す時間を削減し、処理に専念できるようにした。「問題が起きる前に解決するのが目的だ。蚊対策の成功とは、見出しになるような事件や感染症の発生がないことだ」とバード氏は締めくくった。さらに、このAIモデルはGISデータベースの精度向上にも貢献し、将来の蚊対策計画をより効率的にした。気候変動や人口増加に伴い蚊の問題が深刻化する中、AIの導入は公衆衛生に新たな強力なツールを提供している。