AI時代の大学
モンタナ州立大学のコンピュータ科学教授Carson Grossが、AI時代における大学の意義を考察。大学は依然として重要だが、能力を示す独自のシグナルを維持するためにカリキュラムを適応させる必要があると主張。対面手書き試験の復活、AIのTAとしての活用、宿題の再定義など、自身が実施した変更を詳細に説明し、今後の改革案も提示する。
AI時代において、大学はまだ重要なのでしょうか?モンタナ州立大学のコンピュータ科学教授Carson Grossは、2026年6月11日のエッセイで、答えはイエスであり、しかし改革が必要だと述べています。彼はコンピュータ科学学科がこれまでコーディングを二次的スキルとみなしてきたことを指摘し、AIの台頭によりその見方が時代遅れになったと主張します。プロの現場でもコーディングの価値が疑問視されていますが、初心者には経験が不可欠です。大学は学生が安全にコードを書ける場を提供し、実践的な課題を通じて経験を積ませることで、AIを多用する環境でも通用する自信を与えるべきです。
さらに、大学は能力シグナルとして独自の強みを持っています。AIによりオンラインテストは無意味になりましたが、大学には対面筆記試験のインフラがあります。著者は3週間ごとの対面クイズを再開し、手書きノート1ページのみ許可、電子機器禁止としました。この「椅子に座って」の試験は学生から不評ですが、学習効果を高めています。宿題の重みは60~80%から50%に下げられ、大半の学生が高得点を取ると予想されます。宿題は評価手段から学習機会へと変わり、AIを活用してより大規模で現実的なプロジェクトベースにできます。
著者はまた、オフィスアワーの訪問数が激減したことに気づきました。これは学生がAIで問題を解決しているためかもしれません。楽観的に見れば、AIは無限の忍耐力を持ち、列に並ぶことがなく、学部レベルの概念に精通した優秀なTAになり得ます。AIにコード生成ではなくTAの役割を果たさせるため、コースリポジトリにCLAUDE.md/AGENTS.mdファイルを追加し、スタンフォード大学も同様の方法を採用しています。
デモとビジュアライゼーションはAIにより安価に作成できるようになりました。著者は以前、教育用コンピュータ「モンタナ・ミニ・コンピュータ」を自作しましたが、アーキテクチャが特殊すぎると感じました。現在はAIを活用して教材を迅速に改善しています。コンテンツはMarkdown形式に統一し、AIツールとの連携を容易にします。自動化できるものは全て自動化し、AIにクイズ問題や復習シートを作成させています。
今後の計画として、擬似コード標準の強化、AIトラックと非AIトラックの設置、オープンソースプロジェクトの奨励、AIリスクの明確な説明が挙げられます。さらに推測的な改革として、「CS+」コンセプト(コンピュータ科学と他分野の融合)、ネットワーク隔離コンピュータを使用した試験、面接ベースの評価があります。著者は、AI時代に大学が適応すれば、その価値は以前よりも高まる可能性があると結論づけています。これらの改革は、大学が古い慣行を捨て、AIがもたらす機会を受け入れるかどうかにかかっています。