アマゾンにおけるAI執筆小説の台頭、2023-2026年
新たな研究により、AIが執筆した書籍がアマゾンにあふれていることが明らかになった。サンプル中の自出版ジャンル小説の5冊に1冊が、相当量のAIテキストを含んでいる。これらの本は個々の販売数は少ないものの、集合的に人間の著者による本を押しのけ、ほとんどのジャンルで非AI書籍の収益とチャート順位を低下させている。この研究は、AIが出版業界に与える競争的影響と、進行中の著作権訴訟との関連性を強調している。
新たな研究により、アマゾンの自出版市場におけるAI執筆書籍の急速な拡大が明らかになった。研究者らは、14,419冊の自出版ジャンル小説電子書籍をランダムに抽出し、Pangramの全文AI検出ツールを用いて分類したところ、約5冊に1冊(20%)が25%以上のAI生成テキストを含んでいることが判明した。これらの本は、ロマンス、スリラー、SFなどあらゆるジャンルに及んでおり、AI執筆がすでに広範囲に浸透していることを示している。
個々のAI書籍の平均販売部数は非AI書籍を下回るものの、その圧倒的な数により、市場全体に深刻な影響を及ぼしている。2023年から2026年3月までの3年間で、書籍カタログは累計38倍に増加したが、収益はわずか9倍の増加にとどまった。つまり、ほとんど成長していないパイをめぐって、はるかに多くの本が競合しており、平均的な本の収益は以前よりも低下している。
特に非AI書籍の状況は厳しい。調査対象の8ジャンルのうち7ジャンルで、非AI書籍の1冊あたりの収益は2023年と比較して減少していた。唯一増加したのはファンタジー/ホラージャンル(+35%)であった。さらに、AI本の参入が多いジャンルほど、非AI本は市場シェアを失っている。AI本が最も少ないジャンルでは非AI本がトップチャートの約88%を占めていたが、最も多いジャンルでは63%に低下した。特にKindle Unlimitedのようなサブスクリプションサービスでは、読者が共通の購読プールから作品を選ぶため、この影響は顕著である。
研究者らは、AI書籍の生産者の行動も追跡した。AIを一度使い始めた著者は制作を加速させる傾向があり、継続的に出版している著者の4分の3は以前より速いペースで出版し、中には年間数十冊を刊行する者もいる。成功しているAI書籍の特徴として、すでに出版された既存の書籍に現れる珍しいフレーズを、成功している非AI書籍よりも顕著に多く再利用していることが挙げられる。受賞歴のある文学作品の珍しいフレーズの再利用頻度は、その半分以下である。また、AI書籍同士で一字一句重複する「モード崩壊」現象も確認されており、AI検出に懐疑的な人々への追加的な証拠となる可能性がある。
この研究は、現在係争中の著作権訴訟(Kadrey対Meta)に直接関連している。Vince Chhabria判事は市場の希薄化に言及し、AI出力が学習元の作品と競合する可能性があると指摘していた。本研究はその懸念を実証的に裏付けるものである。AIは高品質な本を書く必要すらなく、低価格で大量の本を生み出すだけで、人間の著者に打撃を与えることができる。
研究論文はarXivで公開されており、匿名化されたデータとコードは後日公開予定である。この結果は、AIが出版業界のエコシステムを根本から変えつつあることを示唆している。