LLMの過去6ヶ月を5分で振り返る
Simon WillisonがPyCon US 2026で行った5分間のライトニングトーク。2025年11月の転換点、コードエージェントの実用化、OpenClawに代表されるパーソナルAIアシスタント「Claws」の登場、そしてGemini 3.1 ProやGLM-5.1、Qwen3.6といったローカルモデルの進化を解説。
PyCon US 2026で、Simon Willisonは5分間のライトニングトークでLLM分野の過去6ヶ月を総括した。2025年11月は決定的な転換点であり、コードエージェントが真に実用的になった月だ。OpenAIとAnthropicは検証可能な報酬を用いた強化学習により、モデルが生成するコードの品質を大幅に向上させていた。また、「最良」とされるモデルは主観的な評価に基づき、Anthropic、OpenAI、Googleの間で5回も交代した。9月29日のClaude Sonnet 4.5に始まり、11月にはGPT-5.1、Gemini 3、GPT-5.1 Codex Max、そしてClaude Opus 4.5が王座を奪還した。
Willisonは恒例の「自転車に乗るペリカンのSVGを生成する」テストでモデルを比較。Gemini 3のペリカンが最も優れていたが、Opus 4.5が数ヶ月間トップを維持した。12月から1月の休暇期間中、多くの開発者が新モデルとコードエージェントを試し、一種の「LLM精神病」とも言える過熱ぶりが見られた。Willison自身も、JavaScriptをPythonで実装した「micro-javascript」プロジェクトを「バイブコーディング」で作成したが、実用性には疑問が残った。
2026年2月、注目すべきプロジェクト「Warelay」が何度も改名を経て「OpenClaw」として爆発的に普及。OpenClawはパーソナルAIアシスタントであり、同様のツールは「Claws」と総称されるようになった。シリコンバレーではMac Miniが品切れ状態となり、人々はClawsを動かすために購入した。Drew Breunigはこれを「デジタルペット」と例え、Mac Miniは完璧な「水槽」だと冗談を飛ばした。WillisonはClawsのメタファーとして『スパイダーマン2』のドク・オクトパスを挙げ、AIの触手が暴走する危険性を示唆した。
同じく2月、GoogleはGemini 3.1 Proをリリース。自転車に乗るペリカンのアニメーションだけでなく、カエルやキリン、ダックスフントなど様々な動物の乗り物アニメを生成した。4月にはGoogleがGemma 4シリーズを公開し、米国企業として最も高性能なオープンウェイトモデルと評価された。中国のAIラボGLMは1.5TBのGLM-5.1をリリースし、性能は高いがハードウェア要件も高い。QwenのQwen3.6-35B-A3Bは20.9GBのオープンウェイトモデルで、ノートPC上でClaude Opus 4.7を上回るペリカンを描いた。ただし、Willisonはペリカンテストがもはや有用なベンチマークではなくなったと指摘。
過去6ヶ月の主要なテーマは、コードエージェントの実用化と、ローカルモデルが期待を大きく上回る性能を示したことの2点に集約される。