ロボット学習の分野では、多様なエンボディメントや環境からのデータセットを用いた行動クローニングが、汎用ポリシーの学習における支配的なパラダイムとなっています。しかし、ロボットの動作はデータ収集ロボットのダイナミクスに強く依存するため、同じ動作目標でもロボットごとに異なる制御指令が必要となり、ポリシーの訓練と展開を妨げていました。この問題に対処するため、研究チームはarXivプレプリントで発表した論文「SPACE: Enabling Learning from Cross-Robot Data Toward Generalist Policies」において、SPACE(State Prediction and Adaptive Command Execution)フレームワークを提案しました。
SPACEフレームワークの核心は、カルテシアン状態デルタを普遍的な動作表現として使用することです。このフレームワークは2つのコンポーネントから構成されます:(i)エンドエフェクタの幾何学的変位を予測するカルテシアン状態デルタポリシー、(ii)予測されたカルテシアン状態デルタをロボット固有の制御コマンドに変換するアクションアダプター。これにより、異なるエンボディメント、同一エンボディメントの異なるハードウェアユニット、および単一ロボットの動作中の動的変化という3つのレベルでのロボットダイナミクスの変動に対処します。
実験の結果、SPACEは異なるエンボディメントやハードウェアユニットからのデータを学習する際に、制御コマンドを直接予測するポリシーを大幅に上回る性能を示しました。また、展開時における制御周波数、物体重量、コントローラゲインの変化などの動的シフトに対しても頑健性を維持しました。実験は多様なロボット形態(ロボットアームや移動ロボットなど)と同一機種の異なるハードウェアユニットを対象に行われ、その有効性が確認されました。プロジェクトページは公開されており(http://haeone.site/space-website/)、さらなる詳細が提供されています。
本研究はHaeone Lee氏を含む5名の著者により行われ、2026年6月23日に提出されました。SPACEフレームワークは、ロボット学習におけるデータ拡張の課題に対する効果的な解決策を提供し、汎用ロボットポリシーの発展に貢献することが期待されます。