正規表現とスティーブン・キングでAIスロップを検出:Tacheles
TachelesはオープンソースのAIライティングチェッカーで、AI生成テキストによく見られるパターン(冗長な語彙や決まり文句)を正規表現と統計で検出します。行単位で問題箇所を指摘し、スティーブン・キングなどの編集ルールに基づいた修正方法を提示。完全オフライン動作。
Tachelesは、AIによって生成されたテキストによく見られる「スロップ」(冗長で不自然な表現)を行単位で検出するオープンソースのAIライティングリンターです。従来のAI検出ツールが「87% AI」のような漠然としたスコアを返すのに対し、Tachelesは問題のある行とその理由を具体的に示し、修正方法を提案します。これらの提案は、スティーブン・キングの『書くことについて』やロシアの編集者(イリヤホフ、ノラ・ガル)のルールに基づいています。すべての処理はオフラインで行われ、APIキーは不要で、プライバシーが保たれます。
Tachelesは、AIの「スロップ」を「冗長さ」と「スタイル」の2つに分類します。LLMは一度に一トークンずつ、最も確率の高い次の単語を生成するため、必要な語数よりも多くの単語を使ってしまいます。また、特定の言い回し(「It's not X, it's Y」など)や過度のダッシュ記号を使用する傾向があります。Tachelesはこれらのパターンを正確に検出し、削除すべき箇所を教えてくれます。
Tachelesは、AI検出器や人間化ツールとは異なり、「カットリスト」を提供します。つまり、修正すべき箇所のリストを提示するだけで、実際の書き換えはユーザー自身が行います。これにより、ユーザーの声やスタイルを保持したまま、AIの痕跡を取り除くことができます。さらに、異なるAIモデル(ClaudeやGPTなど)の書き方の癖を考慮した検出も可能で、モデルに依存せずにスロップを検出します。
インストールは npx tacheles check draft.md の一コマンドで完了し、すぐに使用できます。エッセイ、技術文書、コンサルティングなど向けの4つのプロファイルが用意されており、ユーザー自身で調整することもできます。また、SKILL.mdファイルを使って、Claude Codeなどの環境でチェック→書き換え→再チェックのワークフローを自動化することも可能です。
Tachelesの検出ルールはすべてデータとして管理されており、現在43のアクティブな「テル(痕跡)」が登録されています。各テルは表面、リズム、簡潔さのカテゴリに分かれ、検出結果の重大度はHIGH、MEDIUM、LOWの3段階です。HIGHの検出があると終了コード1が返されるため、CIやコミットフックに組み込むことができます。
このように、TachelesはAIアシストライティングにおいて、書き手自身のスタイルを保ちながら質を高めるための実用的で透明性の高いツールです。技術ライターやコンテンツ制作者にとって、非常に有用な選択肢となるでしょう。