Semalith v1.4:較正済み184Mパラメータのセーフティ分類器、Llama-Guard-3-8Bよりも44倍少ないパラメータで最先端のプロンプトインジェクション検出を実現
Semalith v1.4は1億8400万パラメータのDeBERTa-v3-base分類器で、単一のフォワードパスでプロンプトインジェクション、一般的な有害性、金融サービス規制遵守の3軸セーフティ分類を同時に行います。22のベンチマークにおいて、Llama-Guard-3-8Bよりも44倍少ないパラメータでプロンプトインジェクション検出で全勝(7/7)、全体で11/18のベンチマークで勝利し、208の良性エージェントプロンプトで誤検出率ゼロを達成しました。
大規模言語モデル(LLM)を金融サービスやエージェント環境に展開する際には、プロンプトインジェクション、一般的な有害性、金融サービス規制遵守の3つを同時に処理できるセーフティ分類器が必要です。しかし、既存のオープンガードレールは単一の推論パスでこの組み合わせに対応できていません。このギャップを埋めるために、Tejasvi C. Addagada氏らは2026年5月6日に、わずか1.84億パラメータの較正済みセーフティ分類器「Semalith v1.4」を発表しました。
Semalith v1.4はDeBERTa-v3-baseアーキテクチャをベースとしており、その核心は「3軸」分類ヘッドにあります。この分類ヘッドは22クラス(BENIGN、9つのプロンプトインジェクションサブタイプ、一般的な有害性、11のBFSIラベル)で構成され、さらに4クラスの補助スーパーカテゴリヘッドを併用します。モデルは49の公開ソースから収集された76,204行のコーパスで訓練され、すべての保持評価セットに対してSHA-1による重複排除が行われています。その結果、22のベンチマークのうち21でデータ汚染ゼロ(最大0.22%)を達成しています。
Llama-Guard-3-8Bとの比較では、Semalith v1.4は22の保持ベンチマークで優れた結果を示しました。プロンプトインジェクション評価では7/7で全勝し、全体でも22ベンチマーク中11で勝利しましたが、パラメータ数はLlama-Guard-3-8Bの44分の1です。また、208の良性エージェントプロンプトにおける誤検出率(FPR)は0.000であり、Llama-Guard-3-8Bの0.063を大きく下回りました。ただし、一般的な有害性ベンチマーク(WildGuardMix、HEx-PHI、HarmBench)ではLlama-Guard-3がリードしており、この補完的な関係は論文のセクション4で詳述されています。さらに、セクション6ではSemalith v1.4の6つの測定済み弱点が開示されており、今後の改善の余地を示しています。
デプロイメントガイダンスとして、論文は以下のように推奨しています:会話モデレーションが主タスクの場合はSemalith v1.3(ToxicChatでF1スコア0.624)を推奨する一方、BFSIラベルカバレッジが必要な場合や良性エージェントプロンプトでのゼロ誤検出率が優先される場合にはv1.4を推奨しています。Semalith v1.4の登場は、多軸セーフティ分類の空白を埋めるだけでなく、小規模パラメータモデルが特定タスクで大規模モデルを凌駕できる可能性を示し、セーフティ分類器の研究と応用に新たな道を開くものです。