ロシア、WWIの「ダズル迷彩」を復活させウクライナのAI無人機を回避か?効果は?
ロシア軍のカマズトラックが、第一次世界大戦で海軍が使用した「ダズル迷彩」に似た黒白の塗装を施した姿が目撃された。幾何学的な模様で視覚的な輪郭を乱し、速度や距離の推定を困難にする技術だが、専門家は現代のAI画像認識や熱感知には無効だと指摘する。
国防速報(Defense Express)は5月30日、ロシア軍のカマズトラックが第一次世界大戦時の海軍用迷彩「ダズル迷彩」に似た白黒の幾何学模様を施しているのを確認したと報じた。この迷彩は物体を隠すのではなく、見る者の距離感や速度感を混乱させることを目的としている。ウクライナの無人機、特にAI搭載の機械視覚システムによる脅威が増大する中、ロシアが歴史的な手法を復活させた可能性がある。
ダズル迷彩は第一次世界大戦中に軍艦のために開発された。従来の迷彩が物体を背景に溶け込ませるのに対し、ダズル迷彩は大きな幾何学模様を用いて視覚情報を歪め、光学測距儀や火器管制システムを妨害する。例えば、USS West Mahometなどの艦船はこの迷彩を施されていた。主に遠距離からの大型艦艇に対して効果を発揮し、人間の観測者を混乱させることに依存していた。しかし、航空機への適用は実験的に行われたが(Brewster F2A-1戦闘機など)、効果は限定的で、第二次世界大戦中のレーダーの登場により衰退した。
国防速報の分析によれば、現代の機械視覚システムはダズル迷彩が想定していた光学測距とは全く異なる原理で動作する。AIベースの目標認識システムは距離や動きの単純な視覚測定に依存せず、ディープラーニングによる特徴抽出を行う。また、偵察・攻撃型無人機に広く搭載される熱画像センサーは、車両の塗装パターンに影響されない。そのため、ダズル迷彩の復活はウクライナの無人機に対してほとんど効果がないと専門家は見ている。国防速報は、現代のAI画像認識は初期の光学測距とは異なる情報処理を行うため、幾何学模様による欺瞞は機能しないと結論付けている。
ウクライナは最近、中距離攻撃型無人機を用いてロシア軍の後方補給路を遮断する「兵站封鎖」プログラムを開始した。これらの無人機は高度な光学センサーと熱画像センサーを備えており、従来の視覚的迷彩は無力化されている。ロシアのこの試みは、効果的な防御策というよりは、切迫した状況の中での苦肉の策とみなされている。現代の無人機対策には電子戦や防空システム、アクティブ防御が必要であり、旧式の視覚迷彩に頼ることは非現実的である。軍事専門家は、このような迷彩がロシア軍に安心感を与えるかもしれないが、実際の戦場ではほとんど役に立たないと指摘している。