IEEE Transactions on Intelligent Transportation Systemsに投稿された論文が、Robostreet Flowと呼ばれる新しい貨物輸送アーキテクチャを提案している。これは、車両設計、隊列走行、運営モデルをシステム全体で最適化し、ポイントツーポイントの貨物コストを劇的に削減することを目的としている。従来の効率化技術はエネルギー、運転手、機器のうち一つの要素のみに焦点を当てていたが、本アーキテクチャは三者を同時に最適化する点が革新的である。
Robostreet Flowプラットフォームは、バッテリー式6x4トラクターを採用。涙滴型のシングルシートキャビンにより抗力係数は0.35と、従来のClass 8トラックより約40%低い。カーボンコンポジットモノコック構造とバッテリーの構造一体化により、車両重量を50%削減。トラクターに513kWh、トレーラーに340kWhのバッテリーを搭載し、1回の充電で500マイルの航続距離を実現する。軽量化により積載量が増加し、トンマイルあたりのコスト削減にも寄与する。
運用面では、4台のFlowトラックが隊列を組み、先頭車両のみに安全運転手が搭乗し、後続3台はSAEレベル4の自動運転モードで走行する。計算流体力学シミュレーションにより、8mの車間距離で密接追従することで、後続車の抗力係数が42~48%低減し、前方最大圧力が約4分の1に減少することが示された。この結果に基づくエネルギー消費モデルでは、隊列全体の平均消費量は1.27kWh/マイルと、単独走行時の1.60kWh/マイルに比べ20.5%の省エネとなる。電気代は同等のディーゼル燃料費の約17%で済む。
1人の運転手を4台のトラックに分散し、軽量化による積載量増加を考慮すると、運用コストはディーゼルベースラインの9.4セント/トンマイルから4.1セント/トンマイルへと56%削減される。論文ではさらに感度分析により、異なる積載量、勾配、速度での性能を検証。ハブ間運用コンセプトとして、高需要の固定路線での隊列走行を提案し、規制面では自動運転認証や車隊運用基準への影響について議論している。この研究は、長距離貨物輸送の効率化と低コスト化に新たな道を開くものであり、道路物流の経済性を根本から変える可能性を秘めている。