単一ショットフリンジ投影プロフィロメトリ(FPP)は、投影されたフリンジパターンの歪みを解析して物体の三次元形状を取得する技術です。近年、深層学習ネットワークが深度の直接回帰に広く応用されていますが、研究者らは、これらのネットワークが「形状事前分布ショートカット」と呼ばれる欠陥を利用することを発見しました。つまり、フリンジ位相から深度を学習する代わりに、物体境界などの特徴から形状を推測してしまうのです。このショートカットはネットワークの性能上限を引き起こし、データやモデル容量を増やしても突破できません。
新しい研究で、arXivの著者らはPhiCalNetを提案しました。このネットワークは、ラップ位相表現(sinφ, cosφ)を出力し、固定の微分可能キャリブレーションレイヤーを介して深度にマッピングすることで、アーキテクチャ的に形状事前分布ショートカットを排除します。実験は、50個の物体を1.5〜2.1 mの距離で撮影した15,600枚のフリンジ画像からなるフォトリアリスティックな合成ベンチマークに基づいています。最良のUNetベースラインは物体平均絶対誤差(MAE)14.54 mmで停滞しましたが、PhiCalNetはMAEを3.3倍削減して4.46 mmに抑え、誤差は主に±πラップ不連続点の0.103%のピクセルに集中しました。さらに、3フレーム拡張バージョンでは1.16 mmの誤差を達成しました。
アーキテクチャ選択の重要性を検証するため、著者らは同じ物理的制約を持つ物理情報ニューラルネットワーク(PINN)ベースラインと比較しましたが、性能向上は見られず、アーキテクチャ変更が重要な要素であることが確認されました。さらに、本研究はFPPで初めてピクセル単位の共形不確実性定量化を実装し、誤差の原因を特定できるようにしました。スナップショット不一致の上位5%のピクセルを拒否することで、平均二乗誤差が64%削減されるのに対し、ベースラインでは3.5%の削減にとどまりました。
この研究は、単一ショットFPPにおける深度回帰の新たな方向性を示し、ショートカット学習を排除するアーキテクチャ設計の重要性を強調しています。本研究は2部構成の研究の第2部であり、第1部(診断)はarXiv:2606.17093で公開されています。論文は23ページ、8図からなり、著者はAdam Haroonらです。