OpenAIのエンジニア、ルーク・カーリー氏がWebRTCプロトコルに関して痛烈な批判を展開した。同氏は、WebRTCがリアルタイム通信の低遅延を優先するあまり、ネットワーク状態が悪いと音声パケットを積極的に破棄する仕様を問題視。これにより、AI音声アプリケーションにおけるユーザーの発話プロンプトが歪んでしまうと指摘する。
カーリー氏は「WebRTCは低速なネットワーク環境で、私のプロンプトを劣化・破棄するように設計されている」と述べ、AI音声利用においてはプロンプトの正確性が何よりも重要だと強調。高コストなLLM(大規模言語モデル)では、誤ったプロンプトが無駄な応答を生むため、ユーザーは「200ミリ秒の追加待ち時間を払ってでも正確なプロンプトを得たい」と主張する。
しかし、WebRTCの実装はそのような待機を許さない。カーリー氏はDiscord在籍時にブラウザ上での音声パケット再送を試みたが、不可能だったという。「実装自体がリアルタイム遅延にハードコードされており、従わなければならない」と説明。AIアプリケーションがより信頼性の高いデータ伝送を必要としても、この制限を回避できない。
この発言は、OpenAI公式ブログ「低遅延音声AIの大規模提供方法」への応答として、同氏のブログ「WebRTCが問題だ」に掲載された。開発者コミュニティでは、AI時代に合わせたWebRTC標準の見直しを求める声が高まっている。