四元数平均に基づく適応型相補フィルタを用いた足取り型AHRSによる歩行者推測航法
本論文は、足取り型AHRSを用いたPDR向けに、マークレーの四元数平均でセンサデータを融合し適応的に重みを調整するQAACFを提案し、低RMSEと低計算コストを実現した。
屋内測位システムにおいて、GPSは屋根や高層ビルによる信号劣化の影響を受ける一方、歩行者推測航法(PDR)はその影響を受けずに位置推定が可能です。足取り型の姿勢・方位参照システム(AHRS)を用いたPDRの精度は、AHRSで使用される姿勢推定アルゴリズムの精度に依存します。本論文では、推定精度を向上させつつ計算コストを低減するため、足取り型AHRSを用いたPDR向けに四元数平均に基づく適応型相補フィルタ(QAACF)を提案しています。著者はShunsei Yamagishiらで、2026年7月5日にarXivに提出されました(arXiv:2607.05451)。
QAACFは、マークレーの四元数平均を用いて、角速度から得られる四元数と加速度・磁場測定から得られる四元数を融合します。この手法は線形補間よりも厳密に二つの四元数を結合します。さらに、歩行フェーズ(立脚期、遊脚期など)や磁気外乱のレベルに応じて、角速度、加速度、磁場測定の重みを適応的に調整します。実験結果から、提案されたQAACFは既存の姿勢推定フィルタと比較して低い二乗平均平方根誤差(RMSE)を達成し、カルマンフィルタよりも低い計算コストで実現できることが示されました。この成果は、特に足取り型デバイスを用いた低コストで高精度な屋内測位システムへの応用が期待されます。本論文はロボティクス(cs.RO)およびヒューマンコンピュータインタラクション(cs.HC)の分野に分類されています。