大腸がんの早期発見には、自動ポリープセグメンテーションが重要な役割を果たします。しかし、従来の集中型深層学習では、病院が機密性の高い医療データを共有する必要があり、プライバシーの問題が生じます。連合学習はプライバシーを保護しながら協調学習を可能にしますが、全精度モデルパラメータの繰り返し送信による通信コストが課題です。この問題を解決するために、研究チームはQFedPolypを提案しました。これは、通信と推論の効率を両立させた連合学習フレームワークです。
QFedPolypは、量子化対応訓練(QAT)と低精度モデル通信を組み合わせています。各病院は、軽量なU-Netをプライベートデータでローカルに訓練し、訓練中に量子化をシミュレートします。クライアントは量子化された8ビットパラメータを中央サーバーに送信し、サーバーはフェデレーテッドアベレージングを用いて再構築・集約します。これにより、通信コストを約4分の1に削減しつつ、セグメンテーション精度を維持します。評価はKvasir-SEG、CVC-ClinicVideoDB、PolypGen、BKAI-IGH NeoPolypの4データセットで行われ、全精度連合訓練ではDiceスコア0.910(Kvasir-SEG)および0.930(CVC-ClinicVideoDB)を達成しました。量子化モデルでは、精度損失はわずかであり、推論速度が最大1.5倍向上しました。
QFedPolypにより、プライバシーを保護しつつ、通信オーバーヘッドを低減した協調的ポリープセグメンテーションが実現します。得られた軽量モデルはリアルタイムの臨床展開に適しており、医用画像解析における連合学習の実用化を促進します。この研究はarXivで公開され、著者はMadan Baduwal氏らです。今後、他の医用画像タスクへの応用が期待されます。