NVIDIAパートナー、自宅の庭に15万ドルのAIデータセンターを設置へ
サンフランシスコのスタートアップSpanは、家庭用エアコンサイズの分散型データセンター「XFRA」を開発。NVIDIA RTX Pro 6000 GPUを搭載し、AI推論やクラウドゲームなどをサポートする。参加世帯には電気代補助や月額最大150ドルの支払いが検討されているが、セキュリティやプライバシーの懸念も。今年後半に100戸での試験運用を予定。
米国各地で巨大データセンターの建設が相次いでいる。例えば、Meta社がルイジアナ州に建設中のデータセンターは、サッカー場70面分の広さを持つ。AIの普及に伴い、こうしたデータセンターの需要はますます高まっているが、その巨大な電力消費と環境への影響は批判の的となっている。そこで、サンフランシスコのスタートアップSpanは、家庭の庭に設置可能な小型分散型データセンター「XFRA」を提案した。
XFRAはエアコン程度の大きさで、NVIDIAの液体冷却対応RTX Pro 6000 GPUを搭載。新築住宅の隣に設置し、家庭の電力系統に接続して動作する。Spanによれば、一般的な家庭は200アンペアの電力契約をしており、そのうち約80アンペアが未使用で利用可能だという。XFRAはこの余剰電力を活用し、AI推論、クラウドゲーム、高性能シミュレーションなどのワークロードを処理することで、超大規模データセンターの負荷を補う役割を担う。
Spanの白書によると、参加世帯には電気代とインターネット費用の補助が提供される。一部報道では、Spanが光熱費を直接負担し、代わりに月額最大150ドルの定額料金を徴収する可能性も示唆されている。ただし、詳細はまだ確定しておらず、地域によって条件が異なる可能性がある。Spanは、8000台のXFRAを設置する速度は従来のデータセンター建設の約6倍、コストは約5分の1と試算している。今年後半には100戸の新築住宅でパイロットテストを開始する予定だ。
しかし、この構想には懸念の声も多い。Redditなどでは、データセンターには通常厳重なセキュリティが必要なのに、家庭の庭に設置するのは盗難リスクを高めると指摘されている。騒音問題や、子供が遊びで破壊するリスクも指摘される。さらに、家庭のインターネットトラフィックがSpanを経由する場合、同社がユーザーの閲覧履歴などのデータを収集できるというプライバシー上の懸念もある。これらの課題について、Spanはまだ具体的な対策を明らかにしていない。試験運用の開始を控え、同社のアイデアが現実となるかどうか、注目が集まっている。