私の反AIコンピュータ
AIから逃れるために自作されたポータブルなレトロコンピュータ。2つのRP2040、フロッピードライブ、コード入力キーボードを備えるが、そのソフトウェアはほぼすべてAI生成だった。AI時代に手書きコードの喜びを失うこと、そして「欲しいものが直接手に入る」関係を受け入れることについての考察。
これは、作者が自作した「反AIコンピュータ」——トークン(AIモデルが使うテキストの断片)が届かない場所だという。2枚のRP2040(Pico 2040)を使い、1枚はディスプレイとキーボード、もう1枚はPIOでフロッピーディスクドライブを制御する。キーボードはartsey.ioのコード入力方式で、追加キーが2つある。電源は18650(3000mAh)を2本使い、ディスプレイを全輝度にすると約24時間、E Inkを使えば1週間持つ。フロッピーは古いSony MPF。PCBはCubiko CNCで切削したが、FR2銅張積層板は非常に曲がりやすく最高点と最低点の差が0.6〜0.7mmになるため、独自の高低マップ補正コードを使い、X軸かY軸のどちらかだけに移動させて誤差が積み重なるのを防ぎ、0.8mmのフィッシュテールエンドミルで0.2mmトレースを加工した。
ソフトウェアは、Forthを言語にした小さなOSで、フロッピーからApple IIゲームを動かすエミュレータや、Zork IIのコンパイル済みバイトコードを実行するエミュレータも入っている。著者によると、ディスプレイドライバ、CNCソフト、Gコードを生むPCBソフト、OS本体、6502とZork ZILエミュレータ、フロッピーコントローラ、Pico間のSPI RPC、Forthインタプリタまで、すべて「vibecoded」つまりAI生成によるものだ。著者が数語口にすると、それが手元に現れた。だからソフトウェア自体に価値は感じないが、アーティファクト全体は楽しんでいるし、フロッピーが回る音も好きだという。
著者は、もし自分で全コードを書いていたら数か月かかっただろうし、「獲物を自分で狩って食べる」ような満足感もあっただろうが、欲しいものが手に入って次へ進むというマクドナルド的な関係に慣れなければならないと語る。12歳のとき羊飼いをしていた時期があり、友人だった動物を食べなければならないこともあった。食べ物と深い情緒的な関係があったのに、今はただ摂取するカロリーだ。彼はこう締めくくる。「AIから逃れるために行く場所は、AIによって作られている」。否定し続けて狂気に呑まれるか、かつて愛した仕事が機械に取って代わられたことを悲しみつつ受け入れるか。彼は自動運転車に乗るレーシングドライバーであり、今の車のインターフェースは難解で、ごく一部の人だけが性能を引き出せる。ある人には車が空を飛び、ある人には後退しているように見える。しかし、それは変わっていく。