ドローンによるフォロー・ミー人物追跡は、機体上でリアルタイムに動作する必要があるが、低コストのコンパニオンコンピュータは限られたint8計算能力(数GFLOP/s)しか提供しない。典型的な追跡距離では、人物はわずか10~60ピクセルに過ぎず、単一フレームの外観検出では背景と区別できない。時間情報が鍵となるが、複雑な深層学習モジュールに頼るのではなく、入力表現に直接組み込むべきである。
そこで研究者らは、EMTS-Detシステムを提案した。これは5段階の処理からなる:まずドローンの自己運動(ego-motion)を推定し、各フレームを自己運動正規化残差運動チャネルに変換する。次に、わずか22kパラメータ、7.6 MFLOPの軽量ネットワークで人物中心を検出し、カルマンフィルタを用いて安定化座標でターゲットを追跡する。最後に、1次元畳み込み分類器で人間の動きを検証する(ROC AUC 0.941)。トレーニングは、実装と同じ自己運動コードで生成された合成運動カリキュラムを用いる。
VisDrone-DETデータセットでのアブレーション実験では、輝度のみの変種がAP25を0.415から0.051に低下させた。同様に微調整したYOLOv8nは計算量が1100倍多いにもかかわらずAP25は0.415に留まった。EMTS-Detのint8版はドメイン内でAP25 0.694、この分割で0.444を達成した。時間シフトモジュールは精度を低下させるため、最終的な検出器はステートレスである。論文ではint8キャリブレーションにおけるサイレント障害も文書化されており、伝搬キャッシュを用いた最小最大キャリブレーションが浮動小数点と0.008 AP以内の差であることを示している。
Raspberry Pi Zero 2W(ミリワット級デバイス)上で、システムは1000の実世界UAVビデオに対して31.85 FPS、AP25 0.462、再現率0.714を達成した。一方YOLOv8nは1.95 FPS、AP25 0.172に過ぎない。57秒のフィールドシーケンスでは、1.3秒で自動ロック、ロック再現率97.9%、9回のオクルージョンからの回復、誤った再ロックはゼロであった。