MOTIOは、SpatialtemporalAIが発表したエージェント型スキルエンジニアリングシステムであり、論文はarXiv(2610.33446、cs.RO)に公開されている。全文は補足資料11ページを含む24ページで構成される。本研究の狙いは、タスク専用のテレオペレーションやロボット実演データの大規模収集に依存せず、ヒューマノイドロボットが実行可能な移動操作スキルを獲得できるようにすることにある。
論文によれば、MOTIOへの入力は、一般的な人間の動作動画、実世界のスケールと物理的根拠を持つ3Dアセット、モーション参照、再利用可能なロボットスキルである。システムはエージェントによる文脈内のタスク推論と接触推論を通じて、これらを段階化されたロボット固有のインタラクションプログラムへ組み上げ、物理実行の結果、複数フレームの視覚フィードバック、人手による検証を用いて反復的に改良する。ロボット実演を一から収集する一般的な手法と異なり、既存の知識、資産、基盤制御インターフェースを組織化して実行可能かつ修正可能なスキルを構築する「スキルエンジニアリング」の考え方が中心にある。
実装面では、MOTIOはAgentic 3Dによってメートル単位の製品・環境アセットを取得し、既存の全身制御、逆運動学、器用な手指インターフェースを利用してエージェント生成の動作プログラムを実現する。エージェントは低レベル制御器を直接置き換えるのではなく、計画と組み立てを担い、具体的な動作は既存のロボットインターフェースが実行する。
定量的な結果も示されている。時刻付きの33件の初回承認記録では、エージェントの1ターン当たりの記録時間の中央値は97.0分、リクエストから承認までの期間の中央値は2.80時間だった。さらにシミュレーション側でレイアウトと物体の変化を導入し、長期間にわたるボトル処分スキルを準備した結果、スキャン済みのオフィス環境でG1ヒューマノイドロボットが同スキルを連続101.75秒実行した。物理的な調整では、ネジ締めタスクのねじ山残留量が76.0%減少し、実機からのフィードバックがスキル品質の改善に実際に用いられたことが示された。
直接実行に加え、エージェント生成スキルは監督信号としてBC/DAgger蒸留に利用され、最終的に単一の共有参照ポリシーへ統合された。このポリシーは同一チェックポイントの下で18のシミュレーションタスクを完了し、推論時に専門家の介入を必要としない。論文にはプロジェクトページも用意されており、デモや補足資料を確認できる。