計算病理学の基盤モデル(Pathology Foundation Models, PFM)は近年急速に増えてきたが、そのアーキテクチャ、事前学習目的、学習データ、表現次元は大きく異なっている。そこで重要な問いが生じる。これらのモデルは根本的に異なる特徴空間を学習しているのか、それとも同じ潜在表現の異なる座標系を学習しているのか。Dibaloke Chanda と Praveen Madiraju による MOSAIC は、潜在空間の類似性、アラインメント、相互運用性を系統的に調べるための枠組みを提示する。本論文は WACV 2027 に採択されており、コード、ベンチマーク、追加結果がプロジェクトページで公開されている。
MOSAIC の分析対象は、12 のパッチレベルモデルと 6 のスライドレベルモデル、合計 18 の病理基盤モデルである。まず、相補的な類似性指標を用いてモデル間の表現一致度を定量化し、さらにアーキテクチャ、事前学習目的、ネットワーク深度、画像の倍率といった要因が潜在空間の幾何構造をどのように形作るのかを分析する。これにより、どの設計選択が表現空間の体系的な差異を生むのか、またどの要因が異なるモデルを近い幾何形態へ収束させるのかを明らかにしようとしている。
類似性の評価に続いて、MOSAIC は独立に学習された表現を共通の潜在空間へ写像するための複数のアラインメント戦略を検討する。アラインメント後の表現は、モデル間一致度、検索性能、幾何構造の保持、さらに分子予測および形態学的予測タスクにおける下流の多重インスタンス学習によって評価される。これらの評価を通じて、単なる表現の類似性を超え、機能的に転移可能な共有病理表現空間が形成されるかどうかを判断する。
全体として MOSAIC は、異種の病理基盤モデルが表現の類似性を越えて、共有され機能的に転移可能な表現空間へ進めるかどうかを研究するための統一的な枠組みを提供する。これはモデルの再利用、モデル間の知識転移、計算病理学基盤モデルの標準化にとって重要な意味を持つ。コード、ベンチマーク、補足結果は https://researchsubmissions66.github.io/MOSAIC/ で公開されている。