マイクロソフトは、開発者向けに最適化したWindowsエクスペリエンスを「Project Zenith」として正式に発表した。同社は今年初めのBuildイベントで同様の開発者向けWindowsの取り組みを予告していたが、Project Zenithは64GB以上のユニファイドメモリを搭載する新しい開発者向けデバイスを対象としている。
Windowsプラットフォームおよびデベロッパー担当のコーポレートバイスプレジデントであるLogan Iyer氏は、Project Zenithデバイスには開発用に事前構成されたWindowsと、開発者が最初に手に取るツール群が用意されていると説明する。これらの端末では、300億パラメータ以上のモデルをローカルかつメータリングなしで実行でき、実験のペースを速めると同時に、従量課金制のクラウドトークンへの依存を抑えられる。
AMDは本日ベルリンで開幕したIFAの基調講演で、Project Zenith初のデバイスを発表した。それはRyzen AI Haloチップを搭載したミニPCだ。マイクロソフトは、今後数カ月の間に異なるシリコンを搭載したProject Zenith機も登場すると述べており、特定の半導体ベンダーに限定しない方針がうかがえる。
システム面では、Project Zenithは大メモリのWindows PCというだけではない。Visual Studio Code、GitHub Copilot、PowerToys、WinAppCLI、Windows Dev Skillsといった開発者向けツールがプリインストールされる。エクスプローラーはファイル拡張子と隠しファイルを表示し、タイトルバーにフルパスを表示するように構成済みで、最近使ったファイルやフォルダー、同期プロバイダのヒントは無効化され、長いパス名のサポートが有効になっている。またスタートメニューのヒントやアカウント通知もオフになり、PowerToys Command Paletteがデフォルトで有効化される。
こうした変更の一部は、通常のWindows 11でも初期設定で有効にされるべきではないかと思えるほどだ。とくにOS内部の煩わしい要素を取り除く調整は、すべてのユーザーに歓迎される可能性がある。マイクロソフトは今年に入ってWindows 11の改善に注力しており、Project Zenithはその中でも開発者に向けた取り組みといえる。
Iyer氏は「Project Zenithは、開発者が今日のWindowsに何を必要とし、今後どの方向に進めてほしいかに耳を傾けた結果だ。AIがソフトウェア開発を変え続けるなか、私たちはWindowsを、その上で構築するコミュニティとともに進化させていく」と語っている。AIモデルのローカル実行を重視する開発者にとっては、64GB以上のユニファイドメモリを備えた専用の事前調整済み環境が選択肢に加わることになる。