トラックとドローンの協調配送は、トラックの長距離輸送力とドローンの柔軟なサービス能力を組み合わせた、新興のラストマイル物流形態である。ロッカーベースの運用では、スマートロッカーは単なる荷物の一時保管施設ではなく、ドローンの自動ドッキングおよびサービスノードとしての役割も担う。こうした自動化ノードはドローンの離着陸、荷物の受け渡し、バッテリー交換を支援し、ドローン支援型配送ネットワークのサービス範囲と運用柔軟性を大きく広げる。
しかし、実際のロッカーベース配送システムには複雑な現実的課題が伴う。論文は、荷物の配達だけでなく返品の集荷、バッテリー残量や積載量に依存するドローン飛行、そして制限空域を避けるための必要な迂回まで、統合的に調整する必要があると指摘する。これらの制約が重なり合うことで、経路計画は複雑な組合せ最適化問題となる。
この課題に対処するため、著者らは集荷・配達・飛行禁止区域を統合的に考慮したロッカーベースのトラック・ドローン経路計画問題、LTDRP-PDNFを提案する。目的関数は、ドローンを搭載したトラック車両群の総運用コストの最小化である。一方向の配達のみを扱う、あるいは空域制限を無視するモデルと比べ、この定式化はコスト、時間、規制遵守を総合的に求める実際の物流場面に近い。
解法では、経路構築プロセスをマルコフ決定過程としてモデル化し、2段階の深層強化学習に基づくニューラルヒューリスティックを設計する。第1段階はトラックのみの経路計画に焦点を当て、容量制約付き車両経路問題として、アテンションベースのエンコーダと双方向ゲート付きリカレントユニットのデコーダを用いてトラック経路を生成する。第2段階では、方策転移戦略とハイブリッドな配車割当ヒューリスティックを組み合わせ、トラックとドローンが完全に協調する統合経路を構築してLTDRP-PDNFを解く。
実験は異なる規模のインスタンスで行われた。結果として、提案手法は多くの場合でメタヒューリスティックやニューラルヒューリスティックのベースラインを上回り、同時に極めて短い計算時間を維持した。これは、実際の運用制約の下で有効かつ拡張可能な求解フレームワークを提供するものであり、ロッカーを活用したトラック・ドローンの協調配送に実装可能なアルゴリズムの道筋を示している。本論文は2026年6月26日にarXivへ投稿され、ロボティクス、人工知能、機械学習、物理・社会などの分野にまたがる。