ロッカーベースのトラック・ドローン配送ルーティング:集荷、配送、飛行禁止区域を統合的に考慮
本論文は、ロッカーをドローン基地として活用したトラック・ドローン配送ルーティング問題(LTDRP-PDNF)を提案し、深層強化学習による解法を示す。実験では、既存手法より優れた性能と短い計算時間を達成。
2026年6月26日、Xuanyu Liu、Hui Hu、Jiao Zhao、Ziliang Wang、Zhengbing Heによる論文「Locker-based Truck-Drone Routing with Integrated Considerations of Pickups, Deliveries, and No-Fly Zones」がarXivで公開されました。この研究は、ラストマイル物流における新たな配送モードを提案しており、特にスマートロッカーを活用したトラックとドローンの連携に焦点を当てています。
従来のトラック・ドローン配送では、トラックが長距離輸送を担い、ドローンが柔軟な配送を行いますが、ドローンの航続距離やバッテリー制約、飛行禁止区域などの現実的な課題がありました。本研究では、スマートロッカーを中間ノードとして導入し、これらのロッカーは小包の一時保管だけでなく、ドローンの自動離着陸、荷物の受け渡し、バッテリー交換をサポートします。これにより、ドローンのサービス範囲が大幅に拡大し、運用の柔軟性が向上します。しかし、実際のシステムでは、配送と集荷のタスク、バッテリー制約、ペイロードの影響、そして飛行禁止区域の迂回など、複雑な要素を統合的に調整する必要があります。
この課題に対処するため、論文はLTDRP-PDNF問題を定義し、ドローン搭載トラックの総運用コスト最小化を目的としています。研究チームは、経路構築プロセスをマルコフ決定過程として定式化し、2段階の深層強化学習ベースのニューラルヒューリスティックを開発しました。第1段階では、アテンションエンコーダと双方向ゲート付き回帰ユニットデコーダを用いて、トラックのみの容量制約付き車両ルーティング問題(CVRP)を解決します。第2段階では、ポリシー転送戦略とハイブリッド派遣割り当てヒューリスティックを組み合わせ、トラックとドローンの完全に協調した経路を構築します。ドローンはロッカーから発進し、配送や集荷を行った後、バッテリー残量に応じてロッカーまたはトラックに戻ります。
実験は、顧客数、ロッカー数、ドローン数を変えたさまざまな規模のインスタンスで行われました。結果は、提案手法がほとんどの場合においてメタヒューリスティック(大規模近傍探索など)やニューラルヒューリスティックのベースラインを上回り、かつ計算時間が非常に短い(数秒程度)ことを示しました。この研究は、実運用上の制約下での物流配送に対して効率的でスケーラブルなソリューションフレームワークを提供し、特に都市部や複雑な空域環境におけるスマート物流システムの発展に貢献するものと期待されます。