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「Hugging Faceはオープンプラットフォームのまま」、Nvidiaが129億ドルで“AIのGitHub”買収

Nvidiaは、AIモデルのオープンプラットフォーム「Hugging Face」を約129億ドルで買収することで合意した。買収後もプラットフォームの開放性とハードウェア中立性を維持し、Nvidia製コンピューティングの利用は必須にしないと同社は約束。取引は規制当局の承認などを条件に2027年前半の完了を見込む。

ソースThe New Stack AI著者: Paul Sawers

Nvidiaは、AI業界で最も重要なオープンモデルプラットフォームの1つであるHugging Faceを約129億ドルで買収することで合意したと発表した。時価総額5兆ドル超を誇り、世界で最も価値のある企業でもある同社の傘下に、いわば「AIモデルのGitHub」が収まることになる。

8月に買収観測が報じられた時点から、プラットフォームの開放性やハードウェア中立性をめぐる懸念が浮上していた。Hugging Faceの価値の一部は、開発者がNVIDIA、AMD、Intel、クラウドアクセラレーターなどを横断してオープンモデルを検索・展開できる中立的な場所を提供している点にある。その場所が特定ベンダーの所有になればどうなるのか、という疑問が当初からあった。

こうした懸念を払拭するため、創業者でCEOのジェンセン・ファン氏は、買収後もHugging Faceを「AIエコシステム全体のオープンプラットフォーム」として維持し、マルチクラウドとマルチアクセラレーターの開発・展開を続けると明言。「Hugging Face上で構築したり展開したりするためにNvidiaのコンピューティングは不要」と強調した。公式発表の比較的短い文面に「オープン」という言葉が19回以上登場していることからも、開放性の維持が今回の買収を売り込む上でいかに重要だったかがうかがえる。

ファン氏はまた、Hugging Face関係者を含むAI業界の幹部や研究者らと共同署名したオープンウェイトに関する公開書簡にも言及。オープンウェイトのモデルは、AIへのアクセスを広げ、競争を促し、開発者がモデルの展開や適応をより細かく制御するうえで重要だとしている。Nvidia自身も、Nemotronシリーズやフロンティア級モデルをローカルで実行しやすくする取り組みなどを通じて、オープンウェイトAIに注力してきた。

Hugging Faceの共同創業者でCEOのクレマン・ドラング氏は数カ月前、Nvidiaを「アメリカのオープンソースAIの王」と呼んでいた。買収発表後には、オープンソースAIは「転換点」にあるとし、「より多くのコンピューティング、サポート、コラボレーション、可視性が必要」と述べた。ドラング氏は、NvidiaがHugging Faceをオープンで独立、かつコンピューティング非依存のまま支援することにコミットし、創業者と既存チームも残留すると説明。「一緒に、オープンソースをAI構築の標準にできる」とし、1億人のAIビルダーが「インテリジェンスをレンタルするのではなく、所有する」ことを目指すと語った。

一方で、こうした約束を慎重に受け止めるべき歴史的先例もある。2018年にマイクロソフトが75億ドルでGitHubを買収した際も、独立性と開放性の維持を約束した。GitHubはおおむね開放性を保ったものの、マイクロソフトが公開コードを商用のCopilotサービスの学習に使ったことで、オープンソースコミュニティの一部から反発を招いた。さらに、Forbes向けの分析でヤナキラム・MSV氏は、Hugging Faceの中立性にはGitHubにはなかった「ハードウェア」という側面があると指摘する。Hugging FaceはAWS Trainium/Inferentia、Google TPU、Intel Gaudi、AMD Instinctなどに対応しており、Nvidia傘下で競合チップへのサポートを続けられるかが、中立的なプラットフォームであり続けるための試金石になる。

買収自体はまだ完了していない。米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、Nvidiaは通常のクロージング条件と規制当局の承認を前提に、2027年前半の取引完了を見込んでいる。AIインフラにおけるNvidiaの高い地位と、Hugging Faceがオープンモデルの主要な配布拠点であることを考えれば、承認は形式的なものにとどまらない可能性が高い。提出書類は、将来のオープンソースAI規制がHugging Faceの事業に影響したり、コンプライアンスコストを増やしたりする可能性も指摘している。その一方で、Nvidiaは提出書類でも中立性へのコミットメントを再確認し、「モデル制作者、開発者、ユーザーが選択したモデルとデータセットをアップロード/ダウンロードし続け、他のシリコンベンダーをサポートする」と述べている。

約129億ドルとされる買収総額のうち、約119億ドルがHugging Faceの株主に支払われ、Nvidiaに加わる従業員向けには最大10億ドルの株式ベースの留任報酬が用意される。なお、端数を丸めて129億ドルと呼ばれることの多い金額の正確な数字は12,930,300,000ドル。この一見不自然な数字には偶然ではない意味がある。129303は🤗絵文字のUnicode十進値で、#129303はNvidiaのブランドを連想させる緑色のカラーコードだ。今年最大級のAIディールに隠された遊び心は、買収をめぐる話題にひと味加えている。