Conductor for Gemini CLI 入門ガイド
ConductorはGemini CLIの拡張機能で、AIコーディングにおけるコンテキスト不足の問題を解決します。プロジェクトのコンテキストをMarkdownファイルで永続化するコンテキスト駆動開発(CDD)ワークフローを導入し、エージェントが常にアーキテクチャ、標準、目標を把握できるようにします。本記事では、インストール、セットアップ、トラックの作成、実装までを解説します。
Conductorは、2025年12月17日にプレビュー版としてリリースされたGemini CLIの拡張機能で、AIコーディングにおけるコンテキスト不足の問題を解決します。コンテキスト駆動開発(CDD)ワークフローを導入し、リポジトリ内のMarkdownファイルにプロジェクトコンテキスト(コーディング標準、技術スタックの決定、製品目標など)を永続化します。リリース以来、ConductorのGitHubリポジトリは3600以上のスターと284のフォークを獲得しています。
Conductorの動作は3層で構成されます。コマンド層(Gemini CLI内の6つのスラッシュコマンド)、アーティファクト層(リポジトリ内のconductor/ディレクトリ、MarkdownおよびJSONファイルを含む)、バージョン管理層(Git、タスクごとのコミット作成とロールバック機能を提供)。この設計は新規プロジェクトと既存プロジェクトの両方に対応します。既存プロジェクトでは、/conductor:setupコマンドがコードベースを分析し、技術スタックとアーキテクチャを推測してコンテキストを自動的に入力します。
インストールには、Gemini CLIがインストールされ動作していること、Google APIキーまたはVertex AIの設定、プロジェクトディレクトリでのGitの初期化が必要です。インストールコマンドはgemini extensions install https://github.com/gemini-cli-extensions/conductorで、--auto-updateフラグを推奨します。
プロジェクトのセットアップでは、/conductor:setupを実行すると、Conductorがガイド付きQ&Aを通じてconductor/ディレクトリを作成します。このディレクトリには、product.md、product-guidelines.md、tech-stack.md、workflow.md、コードスタイルガイド、tracks.mdが含まれます。これらのファイルは製品ビジョン、ユーザー、技術スタック、ワークフローなどの重要なコンテキストを定義します。このディレクトリをコミットすると、リポジトリをクローンしたチームメンバーはすぐにプロジェクトコンテキストを利用できます。
機能開発は/conductor:newTrackコマンドでトラックを作成します。各トラックは1つの作業単位を表します。Conductorはspec.md(仕様)、plan.md(実装計画)、metadata.jsonを生成します。plan.mdはフェーズごとにタスクをリスト化し、各タスクが1つのGitコミットに対応します。実装前にplan.mdをレビューし、必要に応じて編集します。
実装フェーズでは/conductor:implementを実行すると、Conductorがplan.mdに従ってタスクごとに処理を進め、各タスク完了時に自動コミットを作成します。各フェーズの終了時に手動検証のために一時停止し、確認後に次のフェーズに進みます。この仕組みにより、AIが生成するコードがプロジェクトのアーキテクチャと一致することが保証されます。
Conductorの6ヶ月のプレビュー期間は2026年4月に終了し、Googleは新しいプロジェクトの全フローをデモするCodelabを公開しました。全体として、Conductorはコンテキストを管理されたアーティファクトとして扱うことで、AI生成コードと実際のプロジェクト構造の乖離を効果的に低減します。