ロボットプログラミングを担うコーディングエージェントは、自然言語の指示を実行可能なロボットプログラムへ変換できる。しかし、物理的な接触が多い操作では、視覚情報だけでは相互作用に応じた制御ロジックを生成・改善することが難しいという課題がある。研究チームはこの問題に対し、力覚を考慮するコーディングエージェントFORCAを提案した。
FORCAは、視覚観測と手首に取り付けた力・トルク(F/T)センサの計測値を入力として受け取り、接触の探索や力に応答する動作のためのPythonプログラムを記述する。特徴的なのは、プログラムを一度生成して終わりにするのではなく、実行と実行の間に、記録された力のデータと視覚的な結果をあわせて確認する点である。エージェントはこれらを基に失敗の原因を診断し、動作計画と力フィードバック制御の両方を修正する。
導入条件の面でも敷居は低い。FORCAは人間によるデモンストレーションを必要とせず、タスクごとの学習も行わず、シミュレーション環境も使わない。実機上で直接プログラムを生成して試行錯誤できる点が、この手法の大きな利点である。
評価は実機を用いた5つのタスクで行われ、接触を伴う操作の3つの側面が検証された。第一に把持などの操作精度の向上、第二に物体や表面の特性が変化した際の適応、第三に表面のばらつきや物体の動きがある状況下での接触の調整である。
さらに研究チームは、同じエージェントから力情報を除いた視覚のみの版との比較も実施した。その結果、力情報を加えたFORCAでは把持精度とタスク成功率が向上し、継続的な接触が求められる拭き取りや剥離の作業で接触を失う頻度が減少した。
この論文はarXiv:2610.31841として公開され、分類はロボティクス(cs.RO)である。著者はXiao Tan氏ら4名で、2026年10月22日に投稿された。プロジェクトのウェブサイトも用意されており、論文本文やHTML版、TeXソースはarXivから閲覧できる。