専門家とスーパー予測者がAIのタイムラインを更新
LEAP第8波調査によると、専門家とスーパー予測者はAIの社会的影響に対する期待を上方修正し、AGIは2050年までに実現する可能性が高いと予測している。
予測研究所(Forecasting Research Institute)は2026年6月2日、縦断的専門家AIパネル(LEAP)第8波調査の結果を発表した。この調査では、AI専門家、スーパー予測者、一般市民に対し、AIの長期的な能力と影響について評価を依頼。2025年夏の初回調査以来初めて、同一質問(2040年までのAIの社会的影響)に関する更新情報が収集された。
調査結果では、専門家とスーパー予測者のAIへの期待が大幅に上方修正された。技術リヒタースケール(TRS)において、専門家はAIが2040年までにレベル8(世紀の技術、例:電気)に達する確率を平均35%と予測し、レベル9(千年の技術、例:農業)に24%、レベル10(時代の技術)に11%の確率を割り当てた。スーパー予測者もほぼ同じ分布(レベル8に34%、レベル9に23%、レベル10に8.5%)を示したが、一般市民は有意に保守的だった。第1波と第8波の両方に参加した264人の専門家とスーパー予測者のうち、専門家の平均TRS予測は7.86から8.06へ、スーパー予測者は7.50から7.89へ上昇した。一般市民の変化は最小限(7.18から7.25)だった。参加者の74%は予測が±1点以内に収まり、15%が1点以上上方修正、11%が下方修正した。最頻予測にも変化が見られ、専門家で「世紀の技術」を最頻とする割合が38%から53%に増加。スーパー予測者では第1波で最も多かった「10年の技術」が第8波では「世紀の技術」に取って代わられた(43%)。
汎用人工知能(AGI)のタイムラインについて、専門家は2100年までにLEAPパネリストの過半数がAGIの存在に同意する確率を80%と予測し、その場合の実現年は中央値で2050年(25%確率で2039年、75%確率で2065年)と回答。スーパー予測者も同様の確率(80%)だが、中央値は2047年とやや早い。AGIは、2025年基準で90%の非身体的職業において90パーセンタイルの人間を上回り、推論コストが人間の5倍以下である商用AIシステムと定義されている。
タスク実行能力については、専門家は2030年までに8時間以上のソフトウェアタスクで80%の成功率を達成すると予測(スーパー予測者は2028年、一般市民は2037年)。調査期間中(2026年4月20日~5月11日)、METRベンチマークが更新され、AnthropicのMythosモデルが3時間6分のタスクで80%成功率を達成。これは専門家とスーパー予測者の中央値予測(それぞれ3.4時間、3.5時間)の範囲内であり、2026年残り7ヶ月以上を残して実現した。
最後に、AIの全体的な影響について、専門家の57.5%、スーパー予測者の69.8%が今後20年間の米国への影響を「やや肯定的」または「非常に肯定的」と予測したのに対し、一般市民では42.0%にとどまった。問題解決(専門家72.7%対一般48.6%)や難しい決断(専門家58.3%対一般36.9%)では特に差が大きかった。一方、有意義な人間関係の形成については、専門家の68.4%と一般市民の66.7%が悪化すると予測し、スーパー予測者では50.9%にとどまった。