ElevenLabsが5億ドルのシリーズDラウンドを調達、評価額は110億ドルに
AI音声企業のElevenLabsは、5億ドルのシリーズDラウンドを完了し、評価額が110億ドルに達したと発表した。これは1年前の評価額の3倍以上。2025年のARRは3億3000万ドル超で、ドイツテレコム、Square、ウクライナ政府、Revolutなどが顧客。資金は企業向けAIエージェントプラットフォーム「ElevenAgents」の拡大と国際展開に充てられる。
AI音声スタートアップのElevenLabsは2026年2月4日、5億ドルのシリーズDラウンドを完了し、評価額が110億ドルに達したことを発表した。これは1年前の評価額の3倍以上にあたる。今回のラウンドはSequoia Capitalがリードし、同社のAndrew ReedがElevenLabsの取締役に加わる。既存投資家のAndreessen Horowitzは4倍、ICONIQは3倍の追加投資を行い、新たにLightspeed Venture Partners、Evantic Capital、BONDも参加した。既存株主のBroadLight、NFDG、Valor Capital、AMP Coalition、Smash Capitalも引き続き支援する。これにより、2022年の創業以来の累計調達額は7億8100万ドルとなった。
ElevenLabsは2025年に3億3000万ドル超の年間経常収益(ARR)を達成し、その成長は企業顧客の急速な採用に支えられている。ドイツテレコム、Square、ウクライナ政府、Revolutなどが、カスタマーサポート、会話型コマース、市民エンゲージメント、社内トレーニング、インバウンドセールスにElevenLabsの音声エージェントを活用している。
調達した資金は主に、企業向け音声・会話型AIプラットフォーム「ElevenAgents」の拡大に充てられる。同社は同時に、音声エージェントの大幅なアップグレードを発表。新しいターンテイキング機能と「Eleven v3 Conversational」モデルにより、応答時間の短縮と表現力の向上を実現した。さらに、感情対話モデル、吹き替え、音声汎用知能の研究開発にも投資を強化する。
国際展開では、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、ワルシャワ、ダブリン、東京、ソウル、シンガポール、バンガロール、シドニー、サンパウロ、ベルリン、パリ、メキシコシティに現地に根ざしたGo-to-Marketチームを配置し、ElevenAgentsとElevenCreativeの企業導入を支援する。
共同創業者のPiotr Dabkowski氏は「私たちは人間のように聞こえる声を作ることから始め、今ではテキスト読み上げ、文字起こし、音楽、吹き替え、会話モデルに至るフル音声スタックの基盤モデルを構築している。モデルを最大限に最適化し、ベンチマークを再定義する製品体験を提供する」と語る。もう一人の共同創業者Mati Staniszewski氏は「モデルと製品の交差点が重要であり、私たちのチームは研究を現実の体験に変える力を何度も証明してきた。この資金は音声を超えてテクノロジーとの対話方法を変革する助けとなる。クリエイティブ製品を拡大し、クリエイターが最高の音声と映像を組み合わせ、話し、タイプし、行動できるエージェントを構築する計画だ。ElevenLabsを創業した時は今日の規模と影響力を想像できなかったが、この分野がまだ初期段階であることを認識し、IPOとその先に向けて努力を続ける」と述べた。
Sequoia CapitalのAndrew Reed氏は「MatiとPiotrは卓越した創業者でありリーダーだ。彼らはElevenLabsを世界のAIエコシステムで最も成功し、影響力のある企業の一つに育て上げた。世界クラスの研究から驚くべきクリエイティブツール、大規模なエンタープライズ音声エージェントまで、ElevenLabsは人々のコミュニケーションとテクノロジーとの関わり方を変えている。取締役会に加わることを光栄に思う」とコメントした。
ElevenLabsは、コンピューティングの次のフェーズでは、人間が機械のボタンやメニューに適応するのではなく、テクノロジーが人間の自然なコミュニケーション方法に適応するようになると考えている。