オランダ極右政党、AIで改変した法廷スケッチについて法廷画家に損害賠償
オランダ極右政党自由党(PVV)が、許可なく法廷画家ペトラ・ウルバンのスケッチをAIでより凶悪に見えるように改変し、ソーシャルメディアで使用したことに対して、損害賠償を行った。改変されたスケッチは、妹殺害で収監されたシリア人兄弟を描いたもの。
オランダの極右政党自由党(PVV)が、法廷画家ペトラ・ウルバン(Petra Urban)のスケッチを無断で使用し、人工知能(AI)で加工してより凶悪に見えるようにした問題で、ウルバンに損害賠償を行った。ウルバンは19年間法廷画家として活動しており、昨年、妹殺害の罪で収監されているシリア人兄弟を描いたスケッチを制作した。ところが、PVVのノールト・ブラバント州支部がそのスケッチを無断で取得し、AIソフトウェアを使って兄弟の表情をより威圧的で凶悪なものに改変。その画像をInstagramやFacebookに投稿した動画で使用し、反移民感情を扇動する内容に利用した。ウルバンは自身の作品が許可なく改変され、政治宣伝に使われたことに衝撃と怒りを表明。PVVと交渉した結果、未公表の賠償金を受け取ることで合意した。この事件は、AI技術の倫理的な問題や著作権侵害、特に政治的な文脈での画像改変がもたらす影響について広く議論を呼んだ。専門家は、AIによる画像操作が事実を歪め、特定の集団に対する偏見を強化する危険性を指摘している。ウルバンは、この事例がアーティストの権利保護とAI利用の規制強化につながることを望んでいる。