DIM-WAMは、2026年6月26日に提出されたarXiv論文(arXiv:2606.27677v1、cs.ROロボティクスに分類され、cs.CVコンピュータビジョンとパターン認識にも cross-list)である。Kai Wang氏を筆頭に、計9名の著者による共同研究である。本研究はロボット操作におけるワールド・アクションモデルの活用に焦点を当てている。ワールド・アクションモデルとは、将来の視覚状態と行動を同時に予測する手法の総称であり、近年ロボット操作タスクにおいて有望な性能を示している。しかし著者らは、既存手法の多くが短期履歴と短期的な将来予測に依存しており、初期の観測やタスク進捗に依存して正しく実行される長期タスクには不十分であると指摘する。
論文は、こうした「時間依存型タスク」に必要な要素をさらに詳しく述べている。すなわち、直近の局所的な文脈、段階をまたぐ過去のイベント、差し迫った短期のダイナミクス、そしてタスク全体の進捗といった、相互に補完し合う時間情報を効果的に活用する必要がある。既存手法の課題は、長期的な忘却と、タスク全体の状態に対する認識の乏しさにある。この二つの中核的な欠陥に対処するため、研究チームはDiM-WAMを提案した。これは記憶拡張型のワールド・アクションモデルであり、マルチスケールの履歴文脈、局所的な将来ダイナミクス、グローバルなタスク進捗を統合する。
仕組みの面では、DiM-WAMの記憶モジュールは実観測からコンパクトな視覚イベント情報を抽出し、独立した類似度ベースの統合によって複数の記憶バンクを更新する。その後、バンク識別子と時間埋め込みを伴う長期文脈を読み出し、動画と行動のデノイジングを条件付ける。さらに進捗監督目標を導入し、記憶トークンが完了済みの履歴イベントだけでなく、現在のタスク段階と残りのタスクへの含意も符号化するよう促している。この設計により、モデルは過去を「覚えておく」だけでなく、現在の進捗を「的確に把握する」ことを狙っている。
実験では、DiM-WAMはRMBenchベンチマークにおいて平均成功率をLingBot-VAの28.4%から69.8%へと向上させ、明示的記憶ベースラインであるMem-0の42.0%も上回った。4つの実世界Frankaタスクでは、平均段階成功率を70.7%から91.5%へ、フルタスク成功率を52.5%から80.0%へと改善した。論文ではプロジェクトページ wangkai-casia.github.io/dim-wam/ も公開されている。本論文は2026年6月26日03:17:39 UTCに提出され、全文は約1,978 KBで、PDF、実験的HTML、TeXソースなど複数の形式で閲覧できる。