自己教師あり学習はラベル付きデータが不足しがちな医用画像分野で注目されているが、効果的な事前学習タスクの設計は依然として課題である。今回、研究者らはCOJEPAフレームワークを提案し、三次元脳MRIのための局所予測性と大域判別性を兼ね備えた表現学習を実現した。本論文は2026年7月12日にarXivに投稿された。
COJEPAの主要な革新は、ジョイントエンベッディング予測アーキテクチャ(JEPA)と対比損失(CO)という相補的な学習目標の融合にある。JEPAは入力画像のマスク領域の埋め込みを予測することで局所構造の学習を促し、対比損失は類似サンプルの埋め込みを近づけ、異なるサンプルの埋め込みを遠ざけることで大域的な判別能力を高める。この組み合わせにより、COJEPAは微細な空間認識と頑健な意味的区別を同時に獲得する。
技術的実装では、COJEPAはI-JEPAを三次元に拡張し、前景認識型ブロックマスキングにより脳組織領域を優先的に隠蔽、階層的畳み込みパッチ埋め込みとワールド空間正弦波位置符号化を導入し、高解像度ボリュームデータを効率的に処理する。モデルはHCP-YAとAABCの2データセット、計2286例(年齢22~90歳)のT1強調MRIで訓練された。この設計により、ラベルなしの三次元脳MRIから豊富な構造的・意味的情報を学習できる。
評価はゼロショット双生児検索、脳腫瘍セグメンテーション(BraTS 2024)、年齢回帰(OpenBHB)の三つの下流タスクで行われた。COJEPAは一卵性双生児検索でrank@1再現率0.84を達成し、これは被験者が与えられた場合にその一卵性双生児を正しく識別できる確率が84%であることを意味する。年齢回帰では微調整後の平均絶対誤差が2.55年と最も優れた結果を示し、個体の年齢を正確に予測できることがわかった。BraTSの全腫瘍Dice係数では対比損失単体と同等の性能(Diceスコア0.85以上)を達成し、結合目標が判別的かつ局所構造を保持する表現を生成することを実証した。
本研究は医用画像の自己教師あり学習に新たな道を開き、特にラベル付けコストの高いシナリオで、COJEPAが脳MRI解析の発展に貢献することが期待される。今後はfMRI、DTIなどの他のモダリティや、アルツハイマー病、統合失調症などの疾患診断への応用が期待される。また、COJEPAのフレームワークはCTスキャンなどの他の三次元医用画像にも拡張可能である。