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ChatGPTが生成した物語が権威ある文学賞を受賞

英連邦短編小説賞の地域賞を受賞した短編がAI生成であるとの疑惑が浮上し、AI検出と文学の真正性をめぐる論争を引き起こしている。

ソースHacker News AI著者: KnuthIsGod

最近、2026年英連邦短編小説賞のカリブ地域賞を受賞した短編『蛇のいる木立』がChatGPTなどのAIによって生成されたと指摘され、文学界に波紋を広げている。作者はトリニダード・トバゴのジャミール・ナジール。5月12日、英国の著名な文学雑誌『グランタ』が同作品を含む5つの最終候補作品をウェブサイトに公開したが、すぐに読者からAIの文体特徴が指摘された。例えば「Xではなく、Yでもなく、Z」という構文や、過度に使われる「ハミング」の比喩などが挙げられた。

AI検出ツールPangramはこの作品を100%AI生成と判定し、WIREDも独立して確認した。ナジール本人はコメントを返していないが、彼のSNSの投稿もPangramでAI生成と判定された。一方、2018年の『ガーディアン』紙の記事によりナジールが実在の詩人であることが示唆されている。

英連邦財団の事務局長ラズミ・ファルークは声明で、この疑惑を真摯に受け止めると述べ、審査プロセスは厳格であると強調。ただし、未発表作品をAI検出器にかけることは同意と所有権の問題を引き起こすため、現在はAIチェッカーを使用せず、信頼に基づいて運営していると説明した。『グランタ』の出版者シグリッド・ラウジングも、AI検出ソフトは信頼できず、バイアスがかかる可能性があると指摘。作品は財団が最終決定を下すまでサイトに残されるとした。

さらに、カナダ・欧州地域賞受賞者のジョン・エドワード・デミコリとアジア地域賞受賞者のシャロン・アルパラヤルもAI使用の疑惑が持ち上がっており、Pangramはデミコリの作品を完全AI生成、アルパラヤルの作品を部分的AI生成と判定。一方、ニュージーランドと南アフリカの受賞者作品は人間執筆と確認された。審査員の一人、ジャマイカの作家シャーマ・テイラーもAI使用の疑いで批判されている。

この事件は、文学創作におけるAIの影響をめぐる議論をさらに深めている。作家スティーブン・ローゼンバウムの新著がAI幻覚の引用を含むこと、ノーベル賞作家オルガ・トカルチュクが大規模言語モデルを創作に利用していることを認めたこと、学術プレプリントサーバーarXivがAI誤りを含む論文の著者に1年間の禁止措置を導入したことなど、AI生成コンテンツの信頼性が多方面で問われている。