BBCの自然ドキュメンタリー『ブループラネットIII』のプロデューサーによると、デイビッド・アッテンボローがナレーションを務めるこの人気シリーズでは、意図的に曇りがかった、仕上げの控えめな映像を盛り込んでいるという。これは制作上の手抜きではなく、AI生成の映像が急速に広がるなかで、画面に映る動物が実際に撮影されたものだと視聴者に信じてもらうための工夫である。
制作側の説明によれば、こうした「より自然な」映像は、精緻に調整された映像とは異なる質感を持ち、AIによる偽造ではないかという疑念を和らげる効果がある。生成AIが説得力のある自然映像を作り出せるようになった現在、ドキュメンタリーの信頼性そのものが意識的に守るべきものになっており、逆にあまりに鮮明で完璧すぎる画は「AIではないか」と勘繰られる要因になり得る。
時系列の面でも今回の復活は節目となる。『ブループラネットII』がプラスチック汚染に光を当ててから約10年、第1作の放送からは25年が経過した。新シリーズでは動物の行動をより多く描く一方、撮影技術にも先端の仕組みを取り入れ、世界初の水中CCTVカメラとされる「ストーンフィッシュ」カメラを導入するという。
現時点で明らかになっているのは主に制作方針と撮影手法に関する情報であり、放送日程や撮影地、各エピソードの内容などの詳細は今後の発表が待たれる。