近年の研究により、大規模言語モデル(LLM)がプログラムや証明の進化的発見における意味的変異演算子として機能することが示されている。ただし、現在の応用の多くは静的なコーディングベンチマークに集中している。arXivに公開された新論文は、このパラダイムをアルゴリズム取引へと拡張する。この領域はノイズが多く、非定常で、不連続性が高いため、独自の難しさを伴う。
論文の著者はDhruv SharmaとGautam Shroffで、2026年6月24日に提出され、cs.AIカテゴリに分類されている。提案手法AlgoEvolveは、LLM駆動の進化フレームワークであり、実行可能な取引戦略の生成、評価、反復改善を行う。戦略はPythonコードとして表現され、厳格なテストプロトコルによって評価される点が特徴である。
複数の実験において、システムはレジーム適応的な戦略ロジックを創発的に示し、取引ルールの自律的な切り替えも確認された。これは単に固定パラメータを当てはめるのではなく、環境の変化に応じて取引行動そのものを調整することを意味する。
さらに論文は、内側ループのプログラム合成を導くプロンプトを進化させるメタ進化的な外側ループを導入する。この外側ループは、探索と活用のバランスを取りながらゼロトレード失敗を削減する、改善された探索ヒューリスティックを発見する。ゼロトレード失敗とは、戦略が生成されたものの取引を一切行わない無効なケースを指す。著者によれば、これらのヒューリスティックは当初人間が設計した指示を一貫して上回る。
論文は、LLMベースの意味的進化が複雑な環境における継続的なプログラム合成の有効なアプローチであると結論づけている。本研究は、LLMによるプログラム発見を静的ベンチマークから、動的で敵対的かつ不連続性の高い現実のシナリオへと押し進め、金融分野などへの応用に向けた基盤を提供するものである。