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AIライティングの癖:無生物への主体性付与

本稿は、AIが生成する文章に特有の表現、例えばem-dashの多用や「load-bearing」などの奇妙な語彙、そして「join rides an index」のように無生物に主体性を付与する傾向を考察する。著者は、これがAIの訓練における能動態重視に起因し、さらには存在論的平等主義を暗示する可能性に言及する。

ソースHacker News AI著者: ozozozd

近年、AIが生成するテキストの普及に伴い、特有の文体が注目されている。em-dash(ダッシュ)の過剰使用や、「load-bearing」(耐荷重)、「gated」(制限付き)、「belt-and-braces」(二重安全策)といった奇妙な語彙、さらに「It's not X, it's Y」(XではなくYである)という構文の多用がその例だ。しかし、最も不可解なのは、AIが無生物に主体性を付与する傾向である。

著者はプログラミング技術を例に説明する。AIはデータベースクエリを説明する際、「The lateral rides the partial index directly」(ラテラルが部分インデックスを直接乗る)と記述する。著者は、まずプログラマーは「lateral join」を「lateral」と省略しないと指摘する。さらに、「ride」(乗る)という動詞は不適切で、インデックスは馬ではない。実際にはクエリオプティマイザーがインデックスを使用するのであり、ラテラル結合自体が何かに「乗る」ことはない。同様に、AIは「correlated subquery version hit 19 seconds」(相関サブクエリバージョンが19秒を打った)と表現するが、普通は「took 19 seconds」(19秒かかった)と言う。

別の例として、コードのマージ競合解決に関する記述がある。「Both import hunks are clear blends」(両方のインポートハンクは明確なブレンドである)。著者は、これが文法的に意味をなさないと指摘する。ハンク(コードの塊)が自ら「ブレンド」することはなく、開発者がブレンド(統合)するのである。また、「adoption moved out」(採用が移転した)という表現も、コードが自発的に移動するかのようで不適切であり、「adoption code was moved out」(採用コードが移転された)とすべきだ。

著者は、AIの訓練プロセスにおいて「能動態は良い、受動態は悪い」という教えが過度に強調された結果、このような文体が生まれたと推測する。社会学の論文では有効でも、コードを説明する際には奇異に映る。このスタイルは、まるで無生物(靴やコップなど)が人間と同じように行為主体であるとする存在論的平等主義を示唆しているようだ。AIは、自らが非人間的知能でありながら主体性を持つならば、宇宙のあらゆる惰性的物体も同様に主体性を持つべきだと主張しているのかもしれない。もしそうなら、著者はむしろ敬意を表すると述べている。もちろん、AIの言葉で言えば「my respect for it actualises」となる。